東京農工大、競争相手の有無によるアマミハナサキガエルの大きさの変化を報告
発表日:2019.10.03
東京農工大学と森林総合研究所は、「アマミハナサキガエル」の大きさが、奄美大島と徳之島で異なることを発見し、多種との競合を避けるため奄美大島の個体は小型化したとの見解を示した。同種は、奄美群島に固有の絶滅危惧種。奄美大島には同種の競争相手となるオットンガエル(以下、競争種)が生息するが、徳之島にはいない。両種の餌(節足動物)は類似しており、奄美大島においては競争種がより大きな餌を食べ、同島のアマミハナサキガエルの餌は小さく、体の大きさも小型であった。また、徳之島の同種は、体のサイズが大きく、餌も大きなものを食べていた。今回発見したサイズの変化は、競争種の影響によって種が分化する過程(生態的形質置換)であると考えられるという。また、アマミハナサキガエルと同じ系統のカエルは、奄美群島から東南アジアにかけて広く分布しており、今回の研究成果から、それぞれの環境適応と進化の過程の解明につながることが期待できる。この研究は、奄美群島が、生物進化のプロセスを観察できる貴重な生態系であり、この地域の生態系を保全していく必要があるという。
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