森林総研など、地域の動物相を考慮した「侵入防止柵」選定の考え方を提示
発表日:2019.11.15
(国研)森林研究・整備機構森林総合研究所と東京農業大学の研究グループは、都市近郊林におけるモニタリング調査の成果を論文化し、野生動物の移動の確保などを考慮した「侵入防止柵」選定の方向性などを提示した。シカの食害から造林地などを保護するために、全国各地で「侵入防止柵」の設置が進められている。しかし、シカやイノシシによる柵の破損により効果を発揮しきれていない事例も多く、柵が保護すべき動物(キツネ、ノウサギ、アナグマ等)の移動を妨げている可能性もある。同研究グループは、東京都八王子市の山林内に3種類の柵を約2.2 kmにわたって設置し、接近する野生動物の行動をモニタリングした。その結果、「電気柵」は動物による破損と保護すべき動物への影響が最も少なく、「金属柵」は破損頻度が低い一方で保護すべき動物の移動は制限され、「樹脂ネット柵」については破損が著しく頻繁におこることが明らかになった。侵入防止柵の設置に当たっては、地域の動物相に合わせた種類の選定が必要であるという。
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