森林総研など、ササが旺盛なブナ林再生の問題点を解明
発表日:2021.02.04
森林研究・整備機構森林総合研究所などの研究グループは、ササが密生するブナ林を皆伐すると、事前に刈払い等を行った場合でも再生させることが極めて難しいと報告した。この報告は、1967年に設定した試験区(所在:新潟県南魚沼郡の苗場山麓地内)における、41年間におよぶ長期モニタリング調査の結果に基づくもの。蓄積されたデータを分析し、ブナ林の再生過程や皆伐前に実施したササの刈払いや除草剤散布(以下「皆伐前処理」)の効果などを詳しく調査したところ、単に皆伐した場合のみならず、10年間にわたり皆伐前処理を行い皆伐に至ったブナ林でも「再生していく兆し」は見られなかった。ブナの森は、野生動物への食料供給や、特定の鳥類への営巣環境の提供など、比較的成長の早い他の樹種では担えない機能を有している。ササが密生するブナ林を皆伐するとブナの欠落した状態が長期間続き、ササの抑制処理を怠ると他の樹木の更新すら出来ないといった森林全体の「生態系機能の長期間低下」が懸念されるという。
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