極地研など、宇宙の電磁波による成層圏オゾンの破壊を説明し得る新しいシナリオを提示
発表日:2019.12.02
国立極地研究所、金沢大学ほか4大学および宇宙航空研究開発機構(JAXA)などの研究グループは、地球周辺の宇宙空間で生じた電磁波に起因する「高エネルギー電子」が南極・北極の上空深く(成層圏の近傍)に降り注いでいることを実証した。同研究グループは、宇宙空間で生じる電磁波が高エネルギー電子と相互作用し、極域の大気に電子を降り込ませ、数秒周期で明滅を繰り返す「脈動オーロラ」を引き起こす仕組みを解明している(Ozaki et al., 2019)。今回、科学衛星「あらせ」により「電磁波」を、南北両極の大型大気レーダーにより「大気の電離」を同時観測したところ、電磁波の発生時に両極の上空55~80 kmからの強い反射エコー(高エネルギー電子の降り込み)を検出した。その際、北極では脈動オーロラが観測されていたことから、磁気嵐のような大規模な現象だけではなく、日々発生しているオーロラ爆発のような小規模な現象もまた、中間圏(高度:50~90km)の大気電離や組成変化、ひいては下層(成層圏)のオゾン破壊や気候変動に影響をおよぼしている可能性があるという。
▲ページ先頭へ
新着情報メール配信サービス
RSS