国立極地研究所の研究グループは、グリーン・ネットワーク・オブ・エクセレンス事業・北極気候変動分(以下「GRENE北極研究プロジェクト」)のレビュー論文を発表した。GRENE北極研究プロジェクトは文部科学省の事業として企画され、延べ39機関から360名を越える研究者が参加した、北極の気候変動に関する日本初の総合的な研究プロジェクト(実施期間：2011～2016年)。4つの戦略目標(温暖化増幅メカニズム、全球影響・将来予測、日本周辺の気象への影響・水産資源への影響、海氷変動予測と北極海航路)について、同研究所が代表機関として主導する形で、公募により選ばれた7つの研究課題に接近した。レビュー論文は、冒頭でGRENE北極研究プロジェクトの成り立ちや仕組みにふれ、戦略目標に沿った章ごとに顕著な成果をとりまとめ、プロジェクト構成図等を用いて、北極域の温暖化増幅とその影響に関する要素の有機的なつながりを説明したものとなっている。