東大など、「水族館」とコラボして貴重なイソギンチャクの分類を解明
発表日:2019.12.10
東京大学などの研究チームは、沖縄美ら海水族館と提携し、飼育されていたイソギンチャクの種同定、新種記載、属の定義改訂を行ったと発表した。このイソギンチャクは、2004年に石垣島沖で採取され、同水族館の予備水槽で約15年間飼育されていたもの。イソギンチャク同定は、特殊な処理を施したサンプルを作製し、専門家が顕微鏡観察する必要があることから、属・種が不明のままであった。今回、同研究チームが形態分析や分子系統解析、海外の博物館に収蔵されている標本の調査などを行った結果、同種はクローバーカワリギンチャク属の未記載種であり、約100年にわたり1属1種とされてきたクローバーカワリギンチャク属の新種であることが判明した。2019年12月9日に公表された論文において、水族館名にちなんで「Synactinernus churaumi(和名:チュラウミカワリギンチャク)」と命名、新種記載された。学術上重要な発見の成果を水族館側に還元することで、新しい研究の枠組形成や、展示の充実などの効果創出が期待できるという。
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