中部大など、大学の裏山に生息するオオゴキブリから新種の寄生性線虫を発見
発表日:2020.01.20
中部大学の研究者および外国人特別研究員(所属:キューバ生物生態・分類学研究所)からなる研究チームは、「オオゴキブリ」の腸内から新種の寄生性線虫を発見した。寄生性線虫はさまざまな動物の腸内に存在しており、病原性を持たず、宿主動物と良好な共生パートナーの関係を構築している。一方、寄生性線虫の祖先は数億年前に「寄生性」を獲得し、宿主と共に進化を遂げてきたと考えられている。今回、動物と寄生虫の共生関係の進化を理解し、人類がこれからも自然と共存して持続的に発展してゆくための本質を知ることを目指す研究の一環として、同研究チームは同大学の裏山で「オオゴキブリ」を捕獲し、新種の寄生性線虫を発見した。この新種は、ゴキブリの共生パートナーとして知られる線虫の一種で、「チュウブダイガク」と命名された。今回の発見と命名・国際認定は、3億5千万年前(地質時代:古生代石炭紀)に地球上で繁栄していたゴキブリの祖先とチュウブダイガクの祖先の共生関係、寄生性線虫の宿主転換といった進化や、他動物への広まりなどの過程の推定に資する成果であるという。