山口大など、カブトムシ幼虫の成長速度の緯度による変化を発見
発表日:2020.05.12
山口大学は、国立大湾師範大学と共に、カブトムシ(学名:Trypoxylus dichotomus)幼虫の成長速度が緯度によって変化することを発見した。カブトムシは、夏の終わりに孵化し、2回の脱皮を経て、2~3か月の間で1000倍近い体重へ成長する。今回、沖縄や台湾など南方のカブトムシは、本州のものと同じ環境で飼育したときに、最終的な体重はそれほど変わらないものの、成長速度が遅いことに着目した。そして、青森から台湾の12地域から採取した成虫から、卵を得て、同じ環境(25℃、同じ餌)で個別に飼育し、5~10日おきに体重を測定した。その結果、高緯度地域(北方)の個体ほど、成長曲線の立ち上がりの傾きが大きい(素早く成長する)ことが分かった。また、北方の個体は、餌の摂取量と成長効率がともに高いことも見出した。北方は長い冬の訪れまでに出来るだけ大きく、南方はゆっくり成長するように進化したと考えられ、昆虫の季節適応とそのメカニズムを理解する上で重要な知見であるという。
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