国立科学博物館など、「ミクロシスチン」を生産する新種のシアノバクテリアを発見
発表日:2021.03.04
国立科学博物館、国立環境研究所および福井県立大学の共同研究グループは、霞ヶ浦から環境毒「ミクロシスチン」を産生する新種のシアノバクテリア(Annamia dubia)を発見した。「ミクロシスチン」は淡水域の湖沼などでアオコをつくるミクロキスティス属等によって生産される毒素で、世界保健機構(WHO)の飲料水水質ガイドラインにおいて暫定基準値を持ち、日本においては水道水質基準で要検討項目として指定されている。これまで環境DNA分析により、同種の存在は推定されていたが、実際に確認されていなかった。今回、国立環境研究所が1976年から実施している霞ヶ浦モニタリングにおいて得られた湖水から、同種を分離・培養することに成功し、国立科学博物館が分類学的な検討を行ったところ、新種であることが明らかとなった。この種の生産するミクロシスチンが、霞ヶ浦のミクロシスチン濃度にどの程度影響を与えているかなどは未解明であり、現在、全ゲノム解析を行い、ミクロシスチンを生産する遺伝子についての解析等を進めているという。
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