京大など、謎多き藻類の実態解明と新種発見について報告
発表日:2021.03.29
京都大学、国立環境研究所、東北大学および筑波大学などの研究グループは、20年以上前に環境DNAライブラリから見出された由来不明のDNA配列(Rappé et al.,1998)を有し、藻類学研究では「ラピモナズ」と呼ばれている藻類の系統的位置などを解明した。最初に報告されたDNA配列(以下「当初DNA」)は世界の海水サンプルからも検出され、ラピモナズは新規の一大系統を成すものとして注目されてきたが、その実態は謎に包まれていた。同研究グループは、海洋光合成生物の観察・単離、長期間の安定的な培養・維持ノウハウに基づき、それらの系統ゲノミクス解析を行った。その結果、新たな海洋光合成生物が見出され、それが当初DNAの持ち主と極めて近縁であり、ハプト藻類の新規グループであることが判明した。さらに詳細解析を行ったところ、新種は大量増殖する他のハプト藻類と同等の存在量を有している可能性があり、また既知のハプト藻類では報告されていない新奇の抗酸化物質合成能を持っていることが示唆された。「ラピ藻」と名付け、培養株、DNA情報、色素情報を公開している。
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