（一社）沖縄美ら海財団が運営する「美ら海水族館」は、沖縄島周辺に生息するウミガメ類の消化管内容物を分析し、海洋ゴミの摂食状況について発表した。沖縄美ら島財団は、1990年から2019年の約30年間、沖縄島の沿岸に死亡漂着したウミガメ484個体の消化管を解剖し、内容物の分析を行ってきた。その結果、アオウミガメでは15％、タイマイでは29％、アカウミガメでは24％の個体が海洋ゴミを摂食していた。特に、アオウミガメについて日本各地からの先行報告と比較した結果、海洋ゴミの摂食割合は、北へ行くほど高いことが判明した。また、ゴミの種類別でみると、アオウミガメはビニール、ロープ・釣糸の出現頻度が高く、タイマイやアカウミガメではプラスチック片の出現頻度が高い傾向がみられた。同財団は、海洋博公園・ウミガメ館において、これらの調査で得られた成果をパネル展示するとともに、実際にウミガメの消化管内から見つかった海洋ゴミの標本の展示を行う。今後もデータを蓄積し、海洋ゴミがウミガメに及ぼす影響について科学的な理解を深め、ウミガメの生態解明や保全に貢献していくという。