JAMSTECと国内3大学、「持続可能なプラスチック」の具現化プロジェクトを始動
発表日:2022.05.10
海洋研究開発機構(JAMSTEC)と京都大学・京都工芸繊維大学・静岡大学は、国際化学サミット(開催年月:2019年11月、開催場所:英国王立化学協会)で提起されたSustainable Plasticsの開発を目的とした共同研究契約を締結した。使用済プラスチックに関わる諸問題が一気に顕在化した今日、効率的なリサイクルを主体とした「持続可能なプラスチック」利用の実現が急務となっている。しかし、石化由来のモノマーを重合させてポリマーを形成する技術は進化してきたが、逆にモノマーに戻す「解重合」の研究開発はほとんど手つかずであった。JAMSTEC等は、安定性と分解性という相反する機能を両立させるイノベーション創出を目指し、深海極限環境に発想を得た研究領域(深海インスパイヤード化学)、高分子物性理論や、機能性生分解性プラスチックに関する知見、その他の研究シーズ(例:プラスチック分解酵素)を結集し、「持続可能なプラスチック」を開発する。「圧力をスイッチとしてオンデマンドで自在に分解可能なサステイナブルプラスチック」という開発コンセプトを打ち立て、常圧での分解速度は遅く、高圧下でナノ構造変化を誘起して分解速度を加速するプラスチックを創出する。4者は、既に科学技術振興機構(JST)の支援なども受けており、今後は関連プロジェクト研究との連携なども想定している。今回の共同研究を契機として、プラスチックのケミカルリサイクルや生分解をはじめ、バイオマテリアルなどの新素材の創生、さらには起業予定のベンチャーを通した成果の社会実装などにも取り組む、と抱負を述べている。
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