水質に影響を与える新種の細菌を発見 埼玉県環境科学国際センターなど
発表日:2022.07.19
埼玉県環境科学国際センターは、埼玉県内の河川から水質に影響を与える新種の細菌を発見した。同センターでは、水環境の保全を図るため、河川に生息している細菌を分離し、それらの特徴を明らかにすることで、それらが自然環境中の有機物、窒素やリンの循環にどのような役割を担っているのかを調査している。調査の過程において、県内の河川から新たな細菌2種を発見した。今回、理化学研究所と茨城県霞ケ浦環境科学センターとの共同研究で新種の提案を行なったところ、「国際原核生物分類命名委員会(ICSP: International Committee on Systematic of Prokaryotes)」により新種として認定された。発見した新種の細菌は、フラボバクテリウムアンモニフィカンス(Flavobacterium ammonificansとフラボバクテリウムアンモニイジェネス(Flavobacterium ammoniigenese)と命名された。これは、県内河川に最も多く見られるグループである優占種に属し、有機態窒素(例えばアミノ酸)をアンモニウムに変換する能力を有している。将来的に細菌を介した窒素循環のしくみが明らかになり、得られた知見を基に、水質汚濁原因の究明や水質浄化対策の基盤情報につながることが期待されるという。
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