栃木県のナラ枯れ被害、被害本数17倍に増加
発表日:2022.12.09
栃木県は、ナラ枯れ(正式名称:ブナ科樹木萎凋(いちょう)病)被害が、令和4年9月以降急激に拡大していると報じた。被害本数が昨年度の約17倍に及ぶという。「ナラ枯れ」は、カシノナガキクイムシが媒介するナラ菌により、ナラ類等の樹木が集団的に枯れる樹木の伝染病。全国では平成12年頃から徐々に被害が拡大し、令和3年度に42都府県で被害の発生を確認している。カシノナガキクイムシは森林病害虫等防除法で定める駆除対象で、ナラ類(特にコナラ・ミズナラ)等の大径木を好む在来昆虫。メスの背中に菌の胞子を貯蔵するくぼみがあり、ナラ菌などを運搬、オスが集合フェロモンを放出することで、集団加害(マスアタック)を引き起こす。同県では、令和2年9月に初めての被害報告があり、同年10月徹底防除を目標とした栃木県ナラ枯れ防除対策基本方針を策定、令和2年から3年度に全面的徹底防除を行ったが、令和4年9月以降、急速に被害が拡大、昨年度から17倍に増加した。同県はナラ枯れ被害対策の、被害程度に応じた区分を新たに設定し、全面的徹底防除から被害状況に応じた選択的防除へ変更し、微害地について徹底防除、中害地から激害地は選択的防除に変更する基本方針を改正し対応にあたるとしている。
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