沖縄奄美自然環境事務所、カンムリワシ保全方針を策定
発表日:2023.04.27
沖縄奄美自然環境事務所は、環境省レッドリストにおいて絶滅危惧IA類として掲載されている「カンムリワシ(学名:Spilornis cheela perplexus)」の保全方針を策定した。カンムリワシは、八重山諸島の固有亜種で、繁殖個体群は石垣島及び西表島に限られている。「絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律」に基づく国内希少野生動植物種と「文化財保護法」に基づく特別天然記念物に指定されている。2012年から2021年に環境省が実施したカンムリワシ生息状況等調査では、非繁殖期に低地の林外に出現する個体数は石垣島で24から62個体、西表島では38から66個体が記録され、年による変動幅は大きいが増減の傾向は認められていない。一方、石垣島では年平均で7.4件、西表島では年平均で4.1件の交通事故が確認されており、観光客等による過度な接近、生息環境の質的・量的な変化、外来種等との生息場や餌生物をめぐる競合なども同種の生息に悪影響を与えるおそれがあるという。今回、策定された方針には、1)方針策定の目的、2)本方針の適用区域、3)カンムリワシの生態等、4)石垣島・西表島における生息状況、5)これまでの保全の取組、6)保護上の課題、7)今後必要な対策―が記載されている。