駿河湾の生物多様性解明へ!横浜国大ら、新種極小生物を発見
発表日:2024.12.06
横浜国立大学の西教授と東海大学の田中教授、名古屋大学の自見講師らの研究グループは、駿河湾日本平沖の水深約50メートルの砂泥底からケヤリムシ類(多毛類)の新種を発見した。──ケヤリムシ類はミミズやヒルなどの仲間で、釣り餌としてもよく利用されている。泥を分泌物で固めて作った巣に住み、触手を使ってプランクトンを濾過摂食しており、これまで日本周辺海域では23属56種が確認されていた。──研究グループは、東海大学海洋学部が所有する小型実習船「南十字」を利用して、駿河湾奥部沿岸域において採泥による底生生物調査を実施してきた。今回あらためて砂泥サンプルの環形動物多毛類を選別し、走査型電子顕微鏡を用いた分類学的研究を行った結果、ケヤリムシ目ケヤリムシ科ハラマキケヤリムシ属に属する、体長約2ミリ、体幅約0.2ミリの極小な新種(57種目)が確認された。学名には採集地の静岡県に因む「shizuoka」を付し、腹部に腹巻様の構造が二つ見られることから和名「フタマキケヤリムシ」を採用した。──西教授らは、当該サンプルによる新記録種や未記載種の発見可能性に期待しつつ、今後も、駿河湾沿岸浅海域の生物多様性解明に向けて精力的に取り組むと述べている。
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