金属をぶつけて大量水素~室温オンサイト量産も夢じゃない!
発表日:2025.01.17
広島大学の研究チームは、メカノケミカル法と熱化学サイクルに関する2つの発見に基づいて、究極の水素製造プロセスを構築した。室温付近における水素生成の実現が期待でき、局所的な超臨界水の生成により、水素生成速度を300倍に加速できることが確認された。総じて、高温・広大な敷地を必要とする製造プロセスの革新につながる成果であり、大幅なエネルギー効率の向上が期待される。──本研究における第1の発見は、ボールミルを用いて多様な金属ナノ粒子を合成する過程で、反応容器の材料が助触媒として機能し、偶発的に大量の水素生成が進行することである。第2の発見は、粉砕ボールが衝突する際に瞬間的・局所的な高温・高圧状態(ホットスポット)が生成し、そこで熱化学サイクルによる水素生成反応が繰り返し起きるということである。一連のプロセスは、金属がメカノ触媒、反応容器の材料が助触媒として機能するメカノケミカル法を用いた熱化学サイクルによる世界初の水素生成技術となり得るものである。──本プロセスは、海水からも高効率に水素を製造でき、CO2を排出しないため、持続可能な社会の形成に寄与する。また、オンサイト・オンデマンドによる水素製造の道を拓くことが期待される。
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