双日ら、電動航空機 eCTOLでロジとハブをサステナブル化!
発表日:2025.01.20
双日と航空宇宙メーカーのBETA Technologies Inc.、ヤマトホールディングス(ヤマトHD)および北九州市は1月20日、北九州空港を拠点とする電動航空機による貨物輸送に向けた共同検証の実施について基本合意した。北九州空港(所在地:北九州市小倉南区等)は、東京(羽田)間・ソウル間の旅客便を運行することでハブ空港としての役割を果たしているが、元来は国際貨物輸送の拠点として整備された。国内外の貨物定期便の就航が相次ぎ、24時間運用が可能な空港としても知られている。──今回の共同検証は、電動航空機による物流の脱炭素化に加え、地方・離島の物流ネットワークの強化なども念頭に置いている。使用機材を提供するBETA Technologies Inc.は、アメリカ合衆国バーモント州サウスバーリントンに本社を置く航空宇宙メーカー。2017年にKyle Clarkによって設立され、電動垂直離着陸機(eVTOL)および電動通常離着陸機(eCTOL)の開発を行っている。貨物、医療用乗客、軍事航空産業向けの電動航空機を提供しており、充電インフラの開発も手掛けている。近年ではアメリカ空軍のAgility Primeプログラムに参加し、電動航空機の運用に関する技術的なアドバイスも行っている。eCTOLは、積載量560キログラム以上、航続距離約400キロメートル以上の性能を持ち、従来のトラックや船舶に比べてCO2排出を抑え、効率的な輸送手段として期待されている。今回4社は、eCTOLによる国内初の2地点間飛行を試行する。経済合理性や貨物の搭降載、充電設備などの技術面の検証を行い、2025年夏には試験飛行を計画している。双日は、eCTOLの国内使用や試験飛行に向けた諸手続きをコーディネートする。ヤマトHDは貨物輸送のオペレーションを支援し、北九州市はインフラや関係官庁との調整を担当する。──物流の脱炭素化はもとより、電動航空機の導入を契機とする地方創生や物流の新価値創出などが期待される。