科学者への信頼 世界の現状と課題-早大らの国際比較調査より
発表日:2025.01.30
早稲田大学政治経済学術院の田中教授らは、世界68か国・71,922人を対象とする"科学者への信頼"に関する国際比較調査の結果を発表した。──本調査は、ハーバード大学、チューリッヒ大学、東京大学の研究者らが参加するTISP(Trust in Science and Science-Related Populism)研究プロジェクトの一環として行われた。「科学者への信頼度」を5段階評価したところ、全世界の平均値は3.62ポイントとなった。日本の信頼度は3.37ポイントで、世界平均を若干下回っていることが明らかになった。調査全体としては、市民らが科学者を高く評価していることを示す結果となっている。「科学者は有能(78%)」、「科学者は誠実(57%)」、「科学者は政策決定に関与すべき(52%)」という結果が得られた。他方、「特定の政策について積極的に主張すべきでない(23%)」や、「科学者は他者の意見に注意を払っている(42%)」という結果も得られた。田中教授らは、"科学の優先順位が必ずしも自分たちの優先順位と一致していない"と考えている市民等が半数程度いると考察している。──他方、「一般市民と科学についてコミュニケーションをとるべきだ(83%)」という回答が比較的多かった。気候変動やパンデミック研究における科学者の役割が世界的に注目されつつある。日本をはじめ、科学への信頼を一層向上させるための対策が必要であると提言している。
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