我が国のWell-beingの動向~国民は「自然環境」を高く評価
発表日:2024.08.09
政策やビジネスの場で「ウェルビーイング(Well-being)」が頻繁に使われている。この言葉は、1948年に発効した世界保健機構(WHO)憲章の前文で「健康」を定義する際に使用されたものであり、現在では“身体的・精神的・社会的に良い状態”を指す概念として広く理解されている。内閣府は、経済財政政策の一環として「満足度・生活の質に関する調査」を2019年度から毎年実施している。これはGDPだけでなく、質的・主観的な尺度を活用し、日本の経済社会の構造を多面的に「見える化(指標群をダッシュボード化)」する試みである。「満足度・生活の質に関する調査報告書2024~我が国のWell-beingの動向~」によると、生活満足度は調査開始以来の最高水準を記録し、1年間での上昇幅も最大であった。また、生活満足度を判断する際に「家計と資産」「健康状態」「生活の楽しさ・面白さ」を重視する人が多いことが明らかになり、それぞれに対する年齢階層別の評価傾向も示された。さらに、提示された13分野の中で「自然環境」と「身の回りの安全」が比較的高い評価を得ており、とりわけ「自然環境」を重視する人の割合は2021年度以降、年0.1~0.3ポイントずつ増加していることが判明した(調査方法:インターネットパネル調査、調査対象:約10,000人、摘要:約5,500人は継続サンプル)。