環境省は、「令和2年度〜6年度沖合海底自然環境保全地域調査等業務」の成果を紹介した。この調査は、2020年に指定された「沖合海底自然環境保全地域」の保全に資する科学的情報を充実させるために行われた。調査を通じて、15種の新種動物や数多くの希少種が発見された。また、当該地域は健全な状態を維持しており、保護区としての保全効果を発揮していることが確認された。──委託先である海洋研究開発機構（JAMSTEC）の藤原義弘上席研究員らは、当該地域に生息する巨大なツノサンゴ類が7000歳を超える長命な生物であることが示され、深海域のトップ・プレデターとして知られるヨコヅナイワシの新たな生息地が見つかったことを報告している。また、沖合海底自然環境保全地域や沖合海洋保護区を含む深海域において、新種を含む生物多様性情報の収集や生物の分布、生態等を明らかにすることで脆弱な深海生態系の理解を促進し、地球環境変動が深海生態系に及ぼす影響を正確に評価することが期待される。これにより、30by30（サーティ・バイ・サーティ）目標の達成に貢献できるとコメントしている。