駐車場ビジネスが変わる? 垂直型ソーラーで脱炭素
発表日:2025.05.09
エア・ウォーターは、都市部の限られた空間を活用する再生可能エネルギーの新たな選択肢として、垂直設置型の太陽光発電システム「VERPA(ヴァルパ)」を大阪市中央区の駐車場に導入し、2025年5月9日より稼働を開始した。この設備は、駐車場の壁面に両面受光型のパネルを垂直に設置する構成で、年間4,000〜4,500kWhの発電が見込まれている。
垂直設置という形式は、従来の傾斜型に比べて日射角の最適化が難しく、発電効率の面で不利とされてきた。しかしVERPAでは、パネルの両面で発電が可能な構造を採用し、周囲の建物や地面からの反射光・散乱光を積極的に活用することで、日照時間が限られる都市部でも安定した発電を実現している。さらに、設置高が2m以上あるため、駐車場の利用を妨げず、空間の多目的利用が可能である点も都市設計上の利点といえる。また、パネル表面には防眩・防汚のエンボス加工が施されており、都市部で懸念される反射光トラブルのリスクも抑制されている。発電された電力は、駐車場内の精算機や監視カメラなどの設備に供給され、停電時には自立運転モードでの稼働も可能だ。
このような立地条件が確保できる場所であれば、同様の垂直型太陽光発電システムの導入は今後も進むとみられる。