農水省、バイオスティミュラント表示ガイドラインを策定
発表日:2025.05.30
農林水産省は、「バイオスティミュラントの表示等に係るガイドライン」を策定・公表した。
バイオスティミュラントとは、農作物や土壌に施用することで、植物が本来持つ機能を補助し、非生物的ストレス(高温、乾燥、塩害など)への耐性を高めたり、栄養成分の吸収・利用効率を改善したりする資材である。これにより、農作物の品質や収量の向上が期待される。従来、農薬・肥料・土壌改良資材はそれぞれ農薬取締法、肥料法、地力増進法に基づき規制されてきたが、バイオスティミュラントはこれらに該当しない新たな資材として注目されている。特に「みどりの食料システム戦略」においては、持続可能な農業への転換を支える技術の一つとして位置づけられており、今後の普及拡大が見込まれる。
今回のガイドラインでは、事業者が製品の効果や使用方法を表示する際の留意点を明示し、不当表示の防止や科学的根拠の提示を求めている。具体的には、農薬や肥料と誤認される表現の回避、標準的な使用条件の明示、栽培試験や学術文献に基づく効果の裏付け、成分分析による品質の安定性確認などが求められる。また、安全性についても、農作物やヒトへの影響を確認する方法を提示し、情報の保存と提供体制の整備を促している。さらに、事業者には最新の科学的知見の収集と製品改善への反映、使用者からの問い合わせ対応体制の構築も求められる。なお、バイオスティミュラントが既存の法令に該当する場合は、当該法令の遵守が前提となる。
本ガイドラインは、現時点の流通・使用実態を踏まえて策定されたものであり、今後の状況に応じて見直される可能性がある。
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