地域リユースモデル2件―空き家等戸別回収・不用カーテン引き取り
発表日:2025.07.07
環境省は、使用済製品等のリユース促進を目的としたモデル実証事業の公募を実施し、令和7年度の先進的な取り組みを2件採択した。この事業は、地方公共団体や事業者、市民団体などを対象としており、地域の実情に応じた創意工夫によるリユースの推進を図ることが求められている。また、公募の要件には、新規性・先進性、実効性、他地域への横展開可能性が含まれている。
今回採択された事業の一つは、埼玉県坂戸市による「空き家等におけるリユース品と廃棄物の一括戸別回収」である。これは、空き家や遺品整理、生前整理などを希望する市民に対し、市が委託するリユース事業者が戸別訪問を行い、家財道具等のリユース品と廃棄物を仕分け・一括回収する実証事業である。リユース品は事業者が買取り、廃棄物は市の清掃施設で処理される。市内全域で15世帯程度を対象に実証を行い、アンケート調査の結果を踏まえて今後のスキーム構築を検討する。
もう一つは、サンローズ(株)による「カーテンの注文プロセスを活用した自宅からのリユース推進事業」である。オーダーカーテンの採寸・納品時に顧客宅を訪問する機会を活用し、不要品の回収を促進する。貸与された回収ボックスにより不要品を集め、自社拠点で一時保管した後、一定量に達した段階で連携団体である(株)ECOMMITが回収・選別・再流通を行う。生活者が「リユースのために手放す」選択肢を身近に感じられるよう、自宅での対面回収スキームの構築を目指す。