東京湾環境一斉調査―本年は官民122機関が協働実施
発表日:2025.08.05
環境省をはじめとする官民連携組織「東京湾再生推進会議モニタリング分科会」などは、令和7年度の「東京湾環境一斉調査」の実施概要を公表した。本調査は、東京湾の水質改善と生態系保全を目的に、企業・市民団体・自治体・研究機関など多様な主体が協働して行うものであり、東京湾の環境再生に向けた科学的基盤の強化と、地域社会との協働による政策実装の一環として位置づけられている。
調査は、水質調査、生物調査、環境啓発活動の三本柱で構成される。水質調査は令和7年8月6日を基準日として、東京湾の海域および流域河川において、水温・塩分・溶存酸素量(DO)・化学的酸素要求量(COD)・透明度(または透視度)などを測定する。参加機関は122にのぼり、企業・自治体・国の機関が中心である(内訳:企業68社、市民団体3団体、大学・研究機関1機関、その他団体2機関、地方公共団体39団体、国の機関9機関)。――生物調査は7月から9月にかけて実施され、底生生物や魚類、干潟の生態系などが対象となる。事前登録なしでも成果報告が可能であり、調査の柔軟性が確保されている。参加機関は7機関で、国土交通省の地方整備局や自治体が主催する調査が多い。環境啓発活動は7月から10月にかけて実施され、清掃活動や観察会などを通じて市民の環境意識向上を図る。企業による工場内清掃や、干潟でのアサリ調査などが予定されており、参加機関は4機関である。
本調査は、平成14年に設立された「東京湾再生推進会議」の行動計画に基づくものであり、これまで3期にわたり水質改善や生態系保全の取り組みが進められてきた。また、九都県市首脳会議や東京湾岸自治体環境保全会議など、広域的な連携体制が構築されている。
調査結果は令和8年3月を目途に環境省のウェブサイトで公表される予定であり、過去の調査結果も同サイトで閲覧可能である。――調査の安全性確保のため、参加機関には熱中症対策や潮汐情報の確認が呼びかけられている。