精霊のような魚”コダマタツ”―鹿大らが新和名を提唱
発表日:2025.08.07
鹿児島大学総合研究博物館、高知大学、神奈川県立生命の星・地球博物館の研究チームは、ヨウジウオ科のピグミーシーホース Hippocampus bargibanti に対し、日本国内での分布記録に基づき、新たな標準和名「コダマタツ」を提唱した。命名の由来は、同種が団扇状のサンゴの枝間に生息する姿が、樹木に宿る精霊「木霊(こだま)」を彷彿とさせることにある。
同種は日本で20年以上前から確認されており、ダイバーや魚類学者の間では広く知られていたが、これまで標準和名が付与されていなかった。今回の研究では、八丈島、高知県、鹿児島県、沖縄県から得られた11個体の標本および写真資料をもとに、国内分布を整理し、標準和名の提唱に至った。論文で記録された産地以外にも、SNS上で水中写真が多数確認されており、分布域はさらに広がる可能性がある。
使用された標本は、鹿児島大学、高知大学、神奈川県立生命の星・地球博物館、国立科学博物館に収蔵されている。――標準和名の付与は、分類学的整備のみならず、海洋生物の保全や教育普及にも資するものであり、今後の生物多様性保全の基盤情報として位置づけられる。
▲ページ先頭へ
新着情報メール配信サービス
RSS