大気海洋研ら、サンゴ産卵に関わる遺伝子群を特定~一斉産卵機構の謎に迫る!
発表日:2025.08.05
東京大学大気海洋研究所は、沖縄科学技術大学院大学、水産技術研究所と共同で、サンゴ(ウスエダミドリイシ)の一斉産卵に関わる遺伝子群を特定した(掲載誌:Molecular Ecology)。幻想的な初夏の夜に起こるサンゴの一斉産卵は、長らくそのメカニズムが不明とされてきた――本研究では、2年連続の産卵期を含む1年以上にわたって同一個体から枝サンプルを継続採取し、遺伝子発現解析を実施した。
その結果、産卵時期に特異的な発現パターンを示す遺伝子群が世界で初めて明らかとなった。これらの遺伝子群は、産卵日の約2週間前から始まる4つの生物学的プロセスに関与しており、サンゴ同士が産卵タイミングを同調させる“コミュニケーション”の分子的基盤を示唆するものとされる。
本成果は、サンゴにおける一斉産卵機構の理解を深めるだけでなく、同様の繁殖様式を持つ他の海洋生物の研究にも波及効果をもたらす可能性がある。また、海洋生態系の保全や回復に向けた基礎知見としても重要である。
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