混合廃プラから生成油・ガスを回収―荏原、千葉県でFSを開始
発表日:2025.08.06
荏原環境プラントは、独自技術「ICFG®内部循環流動床ガス化システム(以下、ICFG技術)」を用いたケミカルリサイクルの実証試験を開始した(実証場所:千葉県袖ケ浦市)。本事業は、環境省の令和5年度補助事業「脱炭素型循環経済システム構築促進事業(プラスチック等資源循環システム構築実証事業)」の支援を受けており、産官学連携による社会実装スキームの構築が進められている。
ICFG技術は、分別や洗浄を必要としない混合廃プラスチックを直接熱分解し、プラスチック製造原料として再利用可能な生成油・ガスを回収するものである。従来のケミカルリサイクルでは、処理対象が限定されることや連続稼働の困難さが課題とされてきたが、同技術はこれらの制約を克服する可能性を持つ。今回の実証プラントでは、1日あたり約1トンの廃プラスチックを処理し、スケールアップ時の技術検証、システム最適化、安定稼働の確認、事業性の評価などを行う。対象廃棄物には、比較的処理しやすい廃プラスチック類に加え、建築廃材などを含む汚れた廃プラスチックも含まれており、産業廃棄物を想定した技術であることがうかがえる。
同社は、実証試験で得られた知見をもとに、ケミカルリサイクルの普及と資源循環型社会の形成に貢献すると宣言している。――より高度な廃プラ循環技術の社会実装が期待できる取り組みだ(本サイト・ニュース担当)。