GXとAI時代の脱炭素化指針―ICEF持続可能なDCロードマップ
発表日:2025.10.15
経済産業省と新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は、国際的な気候技術フォーラム「Innovation for Cool Earth Forum(ICEF)」の第12回年次総会を10月8日・9日に開催し、最新の技術ロードマップ「持続可能なデータセンター(DC)」を発表した。
ICEFは、エネルギー・環境分野のイノベーションを通じて気候変動問題の解決を目指し、日本のイニシアチブにより2014年に設立された国際プラットフォーム。第12回総会のメインテーマは「Green Transformation(GX)と安全保障」で、東京GXウィークの一環として開催された。会合にはインド、EU、韓国などから政策・技術の第一人者が登壇し、クリーン水素、CO2除去、原子力、サーキュラーエコノミー、AI活用など多様な技術テーマについて活発な議論が行われた。
今回発表されたロードマップは、AI活用の急速な拡大に伴い、データセンターの電力消費・排出ガス・水資源利用が環境負荷として顕在化していることを踏まえ、持続可能な発展に向けた技術的・政策的方向性を体系的に提示するもの。技術面では、冷却技術の革新、廃熱利用、再生可能電力の導入、AIによる運用最適化、低炭素建材の活用などが提案されている。政策面では、環境性能評価指標の国際整備、脱炭素型施設へのインセンティブ制度、革新技術のスタートアップ支援などが盛り込まれている。
本ロードマップは、産学官の視点に基づき、現実的かつ事実ベースの道筋を示すことを目的としており、ICEF年次総会での議論と有識者レビューを経て最終版として公開された。GX推進と国際技術連携の加速を支援する政策的枠組みの一環として位置づけられ、今後のデータセンター設計・運用における脱炭素化の指針となることが期待される。