炎天下の野球で白色靴・靴下・ストッキングが熱中症リスク低減
発表日:2025.11.10
中部大学大学院生命健康科学研究科の伊藤守弘教授らは、炎天下で行われる野球競技における下肢着用品の色が熱中症リスクに与える影響を実験的に検証した成果を発表した(掲載誌:Sports)。
研究では、靴・靴下・ストッキングの色を白と黒で組み合わせ、暑さ指数(WBGT)30以上の環境下でマネキンを用いて下肢温度を測定した。結果、黒色の着用品は足底で45℃以上、すねで50℃を超える温度に達し、低温やけどの危険性が示唆された。一方、白色の着用品は可視光線と赤外線を反射し、温度上昇を抑制することが確認された。
地球温暖化に伴う暑熱環境はアスリートの健康リスクを高めており、特に夏季の全国高等学校野球選手権大会では長時間の競技による熱ストレスが問題視されている。衣服の色が体温変化に影響することは知られているが、野球選手のユニフォームに関する科学的検証は乏しかった。本研究は、靴のみの色変更では効果がなく、下肢全体の色選択が重要であることを明確にした点で新規性がある。
研究チームは、白色のストッキングが広範囲の光波長を反射し、熱吸収を抑えることを確認した。これにより、熱中症や低温やけどの予防には靴・靴下・ストッキングの色の組み合わせを考慮する必要があると指摘している。
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