分子科学研究所、1種類の有機半導体のみで太陽電池を製造可能であることを実証
発表日:2011.03.01
自然科学研究機構分子科学研究所の平本 昌宏教授らの研究グループは、(独)科学技術振興機構のCREST(研究領域名「太陽光を利用した独創的クリーンエネルギー生成技術の創出」)による研究の一環として、1種類の有機半導体のみで太陽電池を製造可能であることを実証した。有機半導体を用いた有機太陽電池は、産業的な利用が強く望まれているが、電池の設計・製造のための基礎科学が、無機系のシリコン太陽電池に比べて確立しておらず、電圧の起源(内蔵電界)を生み出す方法について基礎的な研究が必要とされていた。今回、研究グループは、最も優れたn型有機半導体として有機太陽電池に必ず用いられているフラーレン分子に、モリブデン酸化物をドープすることにより、p型にすることに成功。これにより、1種類の有機半導体(フラーレン)からn型、p型の両方が得られ、電池の電圧の起源(内蔵電界)を形成できることがわかった。この成果は、有機太陽電池の物性化学的な基礎研究としてはもちろんのこと、有機太陽電池の実用化に向けた開発研究にも大きく貢献するという。
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