分子科学研究所など、有機薄膜太陽電池のエネルギー構造を自在に制御することに成功
発表日:2011.09.16
自然科学研究機構分子科学研究所の平本教授らの研究グループは、ドーピング技術により、有機薄膜太陽電池の共蒸着膜の特性(エネルギー構造)を、n型、絶縁体型、p型と自在に制御することに成功した。現代の有機太陽電池では、必ず共蒸着膜が使われており、n型、p型、絶縁体型は、太陽電池の設計の基本的パーツである。このため、共蒸着膜を直接pn制御する今回の成果は、有機太陽電池の設計・製造にあたり、無機系太陽電池のpn接合などのように、電池の性能を予測して設計し、制御可能な方法で製造するための重要な基盤技術になるという。今回、研究グループは、n型の有機半導体であるフラーレン分子(C60)と、流れる光電流を劇的に増加させるアルファセキチオフェン(6T)と共に、モリブデン酸化物(MoO3)を同時に蒸着することにより、共蒸着薄膜を作製。MoO3の蒸着速度を、コンピュータを用いて精密に制御し、ドーピング濃度をppm(100万分の1)の超極微量の精密さで操ることで、共蒸着膜の特性を自由自在に制御することに世界で初めて成功した。今後、この成果を様々な物質に適用することで、電池効率の飛躍的向上が期待されるという。
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