原子力安全委員会、緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム(SPEEDI)の試算結果を公表
発表日:2011.03.23
原子力安全委員会は、緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム(SPEEDI)の試算結果を公表した。SPEEDIは、原子力施設から大量の放射性物質が放出されたり、その恐れがあったりする場合に、気象条件や地形データなどをもとに、周辺環境における放射性物質の大気中濃度や被ばく線量などを予測するシステム。予測結果は、国や地方自治体に提供され、周辺住民の放射線防護対策に役立てられる。今回の試算は、福島第一原子力発電所の事故発生後、連続して一日中屋外で過ごすという保守的な条件を仮定して、1歳児における甲状腺の等価線量(核種:ヨウ素)を試算したもの。その結果、平成23年3月12日午前6時から3月24日午前0時までの約12日間の積算値で、等価線量が100mSv(ミリシーベルト)以上となる範囲は、北方では福島県川俣町、飯舘村、南相馬市、南方では福島県いわき市まで達すると試算された。ただし、同じ場所でも、屋内では屋外と比べて4分の1から10分の1に放射線の影響を低減できるという。なお、同委員会では、今回の試算は限定的な情報の下での結果であり、今後、試算の精度を高めるために、モニタリング結果を充実させていく必要があるとしている。
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