文部科学省、海域における放射能濃度のシミュレーション結果を公表(第二報)
発表日:2011.04.16
文部科学省は、福島第一原子力発電所沖合の海域における放射能濃度のシミュレーション結果を公表した。同省では、平成23年3月23日より福島第一原子力発電所沖合の海域におけるモニタリングを実施している。今回、同モニタリングによる4月13日までの観測データなどを用いて、(独)海洋研究開発機構が開発した数値海況予測システムJCOPE2(解像度8km×8km)とJCOPET(解像度3km×3km)によるシミュレーションを行った。その結果、福島沖を含む南東北沖の海流場は、日本海流(黒潮)と対馬海流分岐流(津軽暖流)、千島海流(親潮)が邂逅し、複雑でゆっくりとした流れとなっており、この流れとともに、発電所付近に滞留している放射性物質を含む水は、沖に向かって拡散することが示された。特に、4月中旬における福島第一原子力発電所の沖合では、放射性物質を含む水は徐々に拡散するものの、極めてゆっくりと、やや南寄りで沖へ移動すると予測されるという。なお、この予測結果は、発電所から排出された放射性物質の量に関する情報が無いため、東京電力(株)が公表している海岸の海水放射能濃度等をもとに設定したシナリオに基づいて計算されたもの。同シナリオによると、ヨウ素131 が40 ㏃/L(原子力施設の排水の濃度限度)を下回るのが4月21日頃、セシウム137 が90 ㏃/L(同)を下回るのが4月17日頃と計算されている。
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