文部科学省、海域における放射能濃度のシミュレーション結果を公表
発表日:2011.04.12
文部科学省は、福島第一原子力発電所沖合の海域における放射能濃度のシミュレーション結果を公表した。同省では、平成23年3月23日より福島第一原子力発電所沖合の海域におけるモニタリングを実施している。今回、同モニタリングによる4月8日までの観測データなどを用いて、(独)海洋研究開発機構が開発した数値海況予測システムJCOPE2(解像度8km×8km)とJCOPET(解像度3km×3km)によるシミュレーションを行った。その結果、福島沖場は、複雑でゆっくりとした流れとなっており、この流れとともに、発電所から排出される水は、沖に向かって拡散することが示された。特に、福島第一原子力発電所の沖合では、徐々に拡散しながら沖へ移動するため、同発電所30km沖合海域における放射能濃度は、4月4日~7日より4月9~11日の方が高くなると計算された。なお、この予測結果は、発電所から排出された放射性物質の量に関する情報が無いため、東京電力(株)が公表している海岸の海水放射能濃度等をもとに設定したシナリオに基づいて計算されたもの。同シナリオによると、4月12日以降、放射性物質の排出が停止した場合、5月には、海表面において、ヨウ素131 が40 ㏃/L(原子力施設の排水の濃度限度)、セシウム137 が90 ㏃/L(同)を超える海面はなくなると計算されている。
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