関西電力（株）は、堺太陽光発電所が連系する石津川変電所（堺市）構内で、蓄電池の充放電を利用した本格的な電力需給制御システムの試験を開始したと発表した。同社では、低炭素社会の実現に向けた取組みの一環として、太陽光発電などの新エネルギーが大量に電力系統に導入された場合の電力系統の供給信頼度を確保するため、蓄電池による電力需給制御システムの研究を平成22年度から開始している。今回の試験では、蓄電池（ニッケル水素電池）の残量や温度等の状態を適切に管理しながら、電力系統の周波数を一定に保つための制御手法を開発するとともに、需給制御用として蓄電池を活用した場合の性能や寿命などを評価し、蓄電池の適性や有効性を見極める。また、堺太陽光発電所の出力データを活用し、太陽光の規模に見合う蓄電池容量の評価について検討する。同社では、この研究で得られた知見を広く情報公開し、わが国の電力系統の供給信頼度のさらなる向上を目指すとともに、太陽光をはじめとする新エネルギーの普及促進に貢献していくという。