兵庫県立大学・茨城大学など、水素エネルギーへの応用が期待される酵素タンパク質のX線結晶構造を解明
発表日:2011.10.17
兵庫県立大学及び茨城大学の研究グループは、(独)理化学研究所と共同で、水素エネルギーへの応用が期待される酵素タンパク質のひとつ、酸素耐性膜結合型[NiFe]ヒドロゲナーゼについて、大型放射光施設SPring-8を利用したX線結晶構造の解明に成功した。ヒドロゲナーゼは、多くの微生物の体内に存在する酵素で、その中に含まれるNi-Fe(ニッケル・鉄原子)が、水素の合成・分解を通じてエネルギーの授受を行うための重要な役割を担っている。また、通常のヒドロゲナーゼは、ニッケル・鉄原子に酸素がつくことによって機能が損なわれるが、「膜結合型」のヒドロゲナーゼはこれが起こらない、すなわち酸素耐性をもつことが知られている。今回の構造解析の結果、この酸素耐性膜結合型[NiFe]ヒドロゲナーゼは、酸素にさらされた時に分子の一部が特徴的な構造変化を起こすことで、酵素分子の機能を失わないことが明らかとなった。この成果は、水素をエネルギーとして利用するための、酸素に対して安定な化学合成触媒の新開発や、新規の燃料電池の開発研究への応用が期待されるという。
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