(独)産業技術総合研究所、太陽エネルギーを利用した水分解による水素製造技術で世界最高効率を達成
発表日:2012.03.12
(独)産業技術総合研究所のエネルギー技術研究部門太陽光エネルギー変換グループは、太陽エネルギーを利用した水分解による水素製造技術として、世界最高の変換効率を持つ酸化物光電極を開発した。太陽エネルギーを利用した「人工光合成」の技術の中でも、光電極で水を直接分解して水素と酸素を製造する太陽光水素製造技術は低コストであり、将来の水素社会実現の基盤技術として活発に研究が行われている。しかし、酸化物光電極を用いた太陽エネルギー変換効率はこれまで低く(酸化物だけでは0.69%。高価な白金を複合したものでは1.1%)、実用化には一層の変換効率の向上が求められていた。今回の研究では、炭酸塩電解液の使用や酸化物膜の多重積層によって光電極の性能を大幅に向上することに成功。水分解用の酸化物光電極中で最も高い太陽エネルギー変換効率(1.35%)を達成した。今回開発した技術は、太陽エネルギーを利用した水分解による水素製造の際の電解電圧を大幅に低減できる技術であり、水素製造の低コスト化が期待できるという。
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