（独）農業・食品産業技術総合研究機構 食品総合研究所は、放射性セシウムを含む白米からバイオエタノールを製造する際の、放射性セシウムの動態を解析した結果を公表した。これは、バイオエタノール製造工程における放射性セシウムの移行動態を明らかにするとともに、燃料用としての利用の可能性を検討するためのもの。今回、放射性セシウム（セシウム134及び137）を含む白米粉末（221-222Bq/kg）を原料として、バイオエタノールの製造試験を行い、その最終産物となる粗留エタノールと蒸留残渣について放射性セシウム濃度を分析した結果、粗留エタノールでは検出限界（2.6Bq/kg）を超える放射性セシウムは検出されず、放射性セシウムのほとんどが蒸留残渣に残留していることが確認された。なお、同研究は、農林水産省委託プロジェクト研究「地域活性化のためのバイオマス利用技術の開発II系(稲わら等の作物の未利用部分や資源作物、木質バイオマスを効率的にエタノール等に変換する技術の開発)」によるものである。