JNC（株）は、焼却灰の洗浄汚染水からの放射性セシウムの除去・回収技術を開発したと発表した。現在、東日本各地の焼却場では、除染廃棄物をはじめ草木や一般ゴミなどの焼却灰から微量な放射性セシウムが検出され、その効率的な除去・回収技術の開発が求められている。今回開発した技術は、セシウム含有汚染水に、セシウム吸着剤と磁性体原料（鉄イオン）及びアルカリ水溶液を添加することで、磁性体を生成させ、磁気回収装置で回収するもの。ゼオライト等の固形吸着剤を使用する場合と比較して、1回のみの操作により短時間（数分以内）で検出限界以下となり、廃棄物量も大幅に低減する。また使用材料は、工業的に入手が容易で、ろ過材・吸着剤の交換が不要なため、ランニングコストが安価となる。さらに、磁気分離法を用いるため、密閉環境や遠隔操作による低被曝操作が実現できる。同社では、大量の焼却灰洗浄水の処理を目的として、工業的なセシウム除去プロセスの確立を目指すという。