NEDOなど、高温超電導ケーブルを電力系統に連系する超電導送電の実証試験を開始
発表日:2012.10.29
(独)新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は、東京電力(株)、住友電気工業(株)、(株)前川製作所が、「高温超電導ケーブル実証プロジェクト」で、高温超電導ケーブルを電力系統に連系する、国内で初めてとなる超電導送電の実証試験を開始したと発表した。今回、超電導送電を可能とする20万kVA級の三心一括型の超電導ケーブルを、東京電力の旭変電所(神奈川県横浜市)内に設置。液体窒素を用いた冷却により超電導状態を維持し、電力系統に連系することでケーブルの実系統での運用性や信頼性、安定性を検証する。超電導は、ある温度以下になると電気抵抗がゼロとなる現象。今回構築された高温超電導ケーブルは、液体窒素(-196℃)を使って冷却する「高温超電導(酸化物系超電導)」の線材を使用したもの。液体ヘリウム(-269℃)を使って冷却する「低温超電導(金属系超電導)」に比べ高温であることから、冷却に必要となる設備が軽減され、コンパクトな形状で、冷却にかかるコストを低減することが可能となる。NEDOは今後、実証運転を通じて地球環境問題への貢献が期待できる超電導ケーブルシステムの実用化に向け、積極的に取り組んでいくという。