大学研究室紹介

「水環境修復を包括した水利施設の性能設計」(野中資博教授)

施設材料工学研究室

研究内容

  • テーマ:
  • 水環境修復を包括した水利施設の性能設計
  • 概要:
  • いま『環境問題』というキーワードをよく耳にすると思います。環境問題と言っても地球温暖化、大気汚染、資源の枯渇など様々な問題がありますが、当該研究室では特に水環境の修復と産業副産物のカスケード利用を対象としています。カスケード利用とは聞きなれない言葉でしょうが、簡単に説明すると資源の品質に応じた利用方法となります。例えば、みなさんも聞いたことがあるように、風呂の残り湯を洗濯に利用したり、雨水をトイレの洗浄水として利用したりするなどがあります。少しかっこよく説明すると資源の品質に応じた多段階利用です。話が反れましたが元に戻すと、海、湖沼、河川など汚れているというニュースを耳にすることがよくありますが、これら汚れた水域の水環境を産業副産物の特性を利用し、きれいにする。さらに、きれいになった後には使い終わった産業副産物の特性をもう一度利用して肥料にする。というようにコストや要求性能に応じた多段階利用システムの体系化を図っています。
  • キーワード:
  • 水環境, 産業副産物, 植生帯, カスケード利用, 生態系, コスト
  • 学部体系:
  • 理工学系(土木建築学系, その他工学系)
  • 研究分野:
  • ごみ・リサイクル(3R関連, LCA・環境マネジメント関連等, 廃棄物処理関連)、自然環境(緑化・自然再生など環境創造関連)、水・土壌環境(排水処理・対策関連, その他水・土壌関連)

    ポーラスコンクリートで作られた植栽基盤材を波浪の影響が強い湖岸域に設置

    産業副産物を造粒し,室内実験でその性能を評価

    コンクリートにリン吸着材を複合利用したP-CONを河川に設置し,性能を評価

    研究室概要

  • 大学・研究室名:
  • 施設材料工学研究室
  • 研究室の特色・PR:
  • 大学の研究室は高校までと大きく異なります。研究室とはひとつのチームであり、教員(教授、准教授、助教)や学生(博士課程、修士課程、学士過程)など縦横のつながりがとても重要となります。大学であるからこそ研究は当然遂行していくべきです。その研究を遂行するためには色々自分で考えなければいけないし、人からアドバイスをもらったり人にアドバイスをしたりとたくさんすることがあります。なかなか年上や年下と接することが少ない高校生活とは大きく変わります。なので研究室に所属したときにはコミュニケーションを取らざるをえなくなり、色んな人がいることに衝撃を受けると思いますよ。近年の就職先については、民間企業(メーカー、コンサルタント、建設業)が主となっています。規模的には中小企業で、駆動力のある(事業展開が早い)所が多いです。また、公務員(国、県、市町村)を目指す学生もいます。さらに、関連情報としては、島根県内で就職したい方、また地域再生に興味のある方に対してインターンシップ先(就業体験実習)の紹介も行っています。
  • 先生のプロフィール:
  • 氏名:
    野中資博
    出身大学:
    鳥取大学 農学部
    出身大学院:
    京都大学大学院 農学研究科
    卒業研究のテーマと概要:
    学部:マトリクス法による構造解析
    大学院:マスコンクリートの温度ひび割れ防止
    職歴など:
    1975年 島根大学 農学部 助手
    1985年  同上 助教授
    1995年  同上 教授 
    1995年 島根大学 生物資源科学部 教授 
  • 所属学生の人数:
  • 6~10人程度
  • 研究室連絡先:
  • 島根県松江市西川津町1060

    浮島型リン吸着コンクリートにミントを植栽し,水質浄化を評価

    P-CONによって吸着したリンを肥料として利用できるかを植栽実験を通して評価

    研究室メンバーからのメッセージ

    学生A
    一言で表現するならば『質実剛健』ですね!古きよき時代の研究室って感じです。
    学生B
    いや・・・,厳しいっす!
    学生C
    それは,お前がいままで勉強サボってきたからやろ〜(笑)確かに厳しいけど,最近おれ自身も少し変わってきた気がすんねん。ちょっと前までは分らんし大変やったからついていくんでいっぱいいっぱいやったけど,なんか少しずつ研究が楽しくなってきたわ。なんでいままで適当にしてきたんかな〜?て思うときがたまにあるわ。病気かな(笑)
    学生B
    それ病気っす!
    学生A
    コラコラ!まじめに考えなさい!やっぱり研究は基礎的なことの積み重ねが重要だから,コツコツと勉強してきたことが少しづづだけど開花してきてるんじゃないかな?少し分ればやっぱりモチベーションも上がって色々なことを知りたくなってくる。やっぱりこうゆうことは頭ではなんとなく理解しているけど,予想以上に自分で体感できる機会は少ないからなぁ。
    学生B
    はい!おっしゃるとおりだと思います。私も最近研究が少し楽しくなってきました(汗)。
    学生A
    おいおい,お前はまだまだ根本的に基礎的勉強が足りん!

    って感じで毎日過ごしています。
    研究室のモットーは『先生が居る時は厳しく,先生が居ないと時には緩く』,ん?
    いやいや失礼・・・。『先生が居る』を省くのを忘れてました,『時には厳しく,時には緩く』とメリハリをつけて
    研究室全体でがんばってますよ!

    先生からのメッセージ

    学生Aからのアドバイス 
     大学進学に向けた勉強のアドバイスとして言えることはひとつ。『受験科目を中心として全ての科目に対して真剣に取り組んでください』みなさんはこれから一生勉強していかなければなりません。ただ大学受験のために試験科目のみを勉強することは非常にもったいないです。理系の方でも文学を学ぶことで,より理系科目の理解度が深まり,文系の方でも数学を学ぶことで,より文系科目の理解度が深まります。さらに,大学に進学するにあたり一般教養を習得していることで,大学で何を学ぶのか?大学で誰と過ごすのか?など自分自身で選択幅を増やすことが出来ます。例えば,ロールプレイングゲームを想像してみて下さい。はじめは武器も道具もレベルもありません。しかし,身近に潜んでいる弱い敵に出くわして敵を倒していくことでレベルが上がり,武器も道具も買い揃えることができます。これを何度も繰り返していくことで,強い敵に出くわしても敵を倒せるようになり世界中を冒険することができるようになりますよね。つまり,ゲームをクリアするためには,初期ステージではそれ相応の展開(修行,武器,道具)に対応し,最終ステージでもそれ相応の展開(修行,武器,道具)に対応する必要がありますよね。これと同じで,高校時代には高校生にしかできないこと,大学時代には大学生にしかできないことがたくさんあり,成長段階において何度もレベルアップすることができます。そのような段階を繰り返すことで常に向上していくのではないでしょうか。まず,受験生ステージにおいて,いろいろな武器や道具を揃えるという意味で受験科目に無い科目にも一生懸命取り組んでください。言わずもがなですが,受験科目にも一生懸命取り組んでくさいね。
     今回は,受験生のみなさんと比較的年齢が近い(?)私が自分の経験からアドバイス(自分が後悔していること)を記載させて頂きました。参考にしていただければ幸いです。でも,信じるか信じないかはあなた次第。

    (2009年1月現在)