アメリカの生態学者のチームがカリブ海全域を調査し、乱獲はサンゴを攻撃する海綿動物に有利な環境をつくるとの研究結果を報告した。研究チームがカリブ海69か所で109種の海綿動物を調査したところ、うち10種でサンゴ礁を覆う海綿動物の51%を占めること、禁漁区内のサンゴ礁では、フィスツラリン3という魚の嫌う化学物質を出す海綿動物が優位を占めることがわかった。同チームは過去の調査で、乱獲により海綿動物を食べるエンゼルフィッシュやブダイが減ることを明らかにしている。今回の研究ではさらに、乱獲により捕食者が減ると、カリブ海全体の海綿動物群集が変化することが示唆された。禁漁区のサンゴ礁付近は捕食魚の数が多く、海綿動物を食べるため、化学物質防御型の成長の遅い海綿動物が生き残ったのに対し、乱獲が進んだサンゴ礁は魚が少ないため、成長の早い海綿動物がサンゴ礁を占拠したと考えられる。海綿動物はサンゴを窒息させることがあるため、サンゴ礁の再生には、魚の乱獲を防止する海洋保護区が必要だという。
情報源 | アメリカ国立科学財団(NSF) プレスリリース |
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国・地域 | アメリカ |
機関 | アメリカ国立科学財団(NSF) |
分野 | 自然環境 水・土壌環境 |
キーワード | アメリカ国立科学財団 | NSF | 海洋保護区 | カリブ海 | サンゴ | 乱獲 | 海綿動物 |
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