世界資源研究所(WRI)は、オンラインツールの「アキダクト水リスク地図」を更新し、世界人口の4分の1を占める17か国が極めて高い水ストレスに直面していることを報告した。同17か国では、利用可能な水供給量に対する総取水量の比率(ベースライン水ストレス)が約80%にまで達する状況だという。特に、このうち12か国は中東・北アフリカ(MENA)地域に集中しており、専門家は、水不足が紛争や移民問題に拍車をかけていると指摘する。このツールは、189か国とその自治体(州や省など)を対象に、水ストレスや干ばつリスクといった13の指標のリスクを算出し、リスク度を世界地図上で色分けするなどして情報を提供している(月ごとの表示も可能)。今回初めて地下水位のデータも含められ、インド北部で地下水の枯渇が深刻な状況にあることも読み取れる。WRIのステア所長兼CEOは、水ストレスは誰も語らない最も大きな危機だ、と述べ、「対策をとらねば人命や生活を支えるのに莫大なコストがかかる」と警鐘を鳴らした。