アメリカ国立科学財団(NSF)が資金提供した研究により、気候変動の影響が強まっていることを示す予兆として、太平洋岸北西部の潮間帯の広い範囲で繁茂している海草が、衰弱病(wasting disease)にかかっていることが明らかになった。気候変動による温暖化の影響で、数年前からこの病気が大発生しているだけでなく、根に蓄えられている重要な栄養分にも深刻な影響が出ている。海草藻場は水を浄化し、さまざまな海洋生物を育む水中の熱帯雨林のようである。研究者らが干潮時、数百の海草藻場に印をつけ、数週間にわたって観測した結果、病変のある海草は成長が遅く、貯蔵する糖の生成量も少ないことが判明した。同研究では、海草の根が損傷していることが確認されたが、海草の根には、炭水化物や糖を生成して貯蔵し、自らのネットワークを広げる巨大なシステムがある。今回の結果は、確認された海草の疾患が一般に考えられているよりも深刻で、その害は病変だけにとどまらないことを示唆している。
情報源 | アメリカ国立科学財団(NSF)ニュース |
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国・地域 | アメリカ |
機関 | アメリカ国立科学財団(NSF) |
分野 | 自然環境 |
キーワード | 海洋生物 | 気候変動 | アメリカ国立科学財団 | 太平洋 | 藻場 | 潮間帯 | 海草 | 炭水化物 | 衰弱病 | 根 |
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