アメリカ海洋大気庁(NOAA)の研究者らは、大気に安定した自浄能力があるとする研究結果を発表した。大気の自浄に重要な役割を果たすのはヒドロキシルラジカル(・OH)で、温室効果ガスの1つであるメタンや、大気汚染物質の炭化水素、亜硫酸ガスなどと反応してこれらを除去する働きがある。ただし、・OHは反応性が高くすぐに消滅することから、その濃度を推定するために、従来は、・OHと反応する化学物質メチルクロロホルムを使用し、その人為的な排出量と大気中の存在量の差から分解量を求める方法がとられていた。そして、この推定方法によると、・OH濃度は経年変動が大きく、浄化能力は不安定とされてきた。しかし、モントリオール議定書により、オゾン層破壊物質であるメチルクロロホルムの製造・使用が禁止されて排出量が急減し、人為的な排出量を考慮せずに大気中のメチルクロロホルムの分解、すなわち・OH濃度の変動をより正確に把握可能になった結果、・OH濃度は安定していることが明らかになった。これにより、今後は、メタン等の大気中濃度についても、信頼性の高い予測が可能になるという。
情報源 | アメリカ海洋大気庁(NOAA) プレスリリース |
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国・地域 | アメリカ |
機関 | アメリカ海洋大気庁(NOAA) |
分野 | 大気環境 |
キーワード | NOAA | 炭化水素 | オゾン層 | 大気 | メタン | アメリカ海洋大気庁 | 自浄能力 | ヒドロキシルラジカル | ・OH | メチルクロロホルム |
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