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 国環研など、福島県に生息する雄の野ネズミの生殖細胞に対する放射線影響を調査

発表日:2016.06.02


  国立環境研究所は、北里大学と富山大学と共同で、福島第一原子力発電所(福島第一原発)事故による野生生物への放射線影響研究として、野ネズミ(アカネズミ)を捕獲し、精巣及び精子への放射線影響の有無を調査したと発表した。この調査は、2013年と2014年に福島県内の放射線量の高い地域と福島第一原発から300km以上離れた放射線量の低い青森県・富山県において実施したもの。その結果、福島県で捕獲されたアカネズミ体内の放射性セシウム濃度は他の地域の個体に比べ高い値を示したが、これらの地域間で生殖細胞における細胞死の頻度と精子奇形の発生率に関して統計学的に有意な差は認められなかった。この結果は、2013年と2014年時点での放射線量では、福島県のアカネズミの精子形成に支障を及ぼしていないことを示している。今後は、放射線が細胞内に存在するDNAの塩基配列に変化を与えることが知られているため、福島県に分布するアカネズミでDNAの塩基配列の変化が起きているかどうかを把握するための研究を行う予定という。

情報源 国立環境研究所 報道発表
機関 国立環境研究所 北里大学 富山大学
分野 健康・化学物質
キーワード 野生生物 | 国立環境研究所 | 福島県 | 福島第一原子力発電所 | 放射線 | 北里大学 | 富山大学 | アカネズミ | 生殖細胞
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