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 生理研など、動物の温度感覚に関与するタンパク質の分子メカニズム解明に接近

発表日:2019.09.09


  生理学研究所と首都大学東京の共同研究グループは、動物の温度の感じ方(温度感覚)に関与するタンパク質の機能を調べ、それらの進化過程における変化を推定した。高温環境に適応した動物は、高温に耐えるための生理的な機能を高めながら環境に適応し、進化・種分化してきたと考えられている。同研究グループは、アフリカ大陸に生息するツメガエル種では、2つのタンパク質(TRPV1、TRPA1)が高温の受容に関与していることや、適応した温度環境によって高温に対する応答特性が異なることを見出している。今回、4種のツメガエルのTRPV1に高温の刺激を繰り返し与える実験などを行い、TRPV1の温度応答特性は異なる温度環境に生息するカエルの種間で変化してきたことや、TRPA1の高温への応答が暖かい環境に生息するツメガエル種は涼しい環境に適応するツメガエル種よりも小さいことを解明した。また、ツメガエル祖先種のTRPV1タンパク質を人工的に合成・復元した解析を通じて、TRPV1の温度応答特性が特異的に変化した進化の過程を明らかにしている。

情報源 生理学研究所 プレスリリース
首都大学東京 ニュース(PDF)
機関 生理学研究所 首都大学東京
分野 自然環境
キーワード 首都大学東京 | 生理学研究所 | 進化 | 種分化 | ツメガエル | TRPV1 | TRPA1 | 温度応答特性 | 祖先種
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