京都大学は、沖縄島北部(やんばる地域)に分布するキク科植物の一種が固有の新種であることを解明し、和名「ヤンバルアオヤギバナ(学名:Solidago yambaruensis)と名付け、新種発表した。陸上植物の大半は洪水による撹乱を受けにくい場所に生育しているが、常時水位と洪水時水位の間にある河岸(渓流帯)で繁栄している植物 (以下「渓流沿い植物」)も存在し、日本では約25種が報告されている。同大学は、渓流沿い植物に共通する特徴に関する知見を踏まえ、多雨地域として知られている「やんばる」の渓流帯において植物調査を行った。その結果、やんばる地域の渓流帯において、細い葉などの外観は本土に分布する近縁種のアオヤギバナと酷似しているが、部分的な形質が異なるキク科植物の群落を発見した。さらに栽培試験や遺伝子分析を行ったところ、沖縄島の植物はアオヤギバナと直接の血縁関係にない新種であることが明らかになった。果実が無毛であることなどから、風によって飛来した植物を祖先種とする可能性は低く、琉球列島の海岸に分布するシマコガネギクと呼ばれる種から分化し、島内で独自に適応進化した経路が示唆されたという。
情報源 |
京都大学 Latest research news
|
---|---|
機関 | 京都大学 |
分野 |
自然環境 |
キーワード | 祖先種 | 適応進化 | 琉球列島 | 草本植物 | やんばる | キク科植物 | ヤンバルアオヤギバナ | 渓流帯 | 渓流沿い植物 | シマコガネギク |
関連ニュース |