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 筑波大など、イネがアルミニウム毒性を緩和させる仕組みを解明

発表日:2019.10.08


  筑波大学と岡山大学の研究グループは、イネの根から分泌されるペクチンによりアルミニウム毒性が緩和される仕組みを解明したと発表した。アルミニウムは、土壌が酸性(pH5程度以下)になると溶出し、植物の成長を阻害するとされ、乾燥に次ぐ作物収量低下の要因とされている。今回、ペクチンがアルミニウムの吸着性が高い事に注目し、アルミニウム毒性を緩和する仕組みについて調査した。同研究グループは、最初に、2種のイネ(野生型/アルミニウム耐性が弱いstar1変異体)で、アルミニウム濃度とペクチン分泌の関係を調査した。野生型は、アルミニウムが高くなるほどペクチンの分泌量が多く、star1変異体ではペクチンの分泌量の増加しないことが確認された。次に、ペクチン分泌と根へのアルミニウム吸着との関係を調べたところ、ペクチンを分泌したイネはアルミニウムを吸着していなかった。これらの結果から、イネの分泌するペクチンは、アルミニウムをトラップし、毒性を緩和することで、アルミニウム耐性を維持していることが明らかとなったという。

情報源 筑波大学 注目の研究
機関 筑波大学 岡山大学
分野 自然環境
キーワード イネ | アルミニウム | 筑波大学 | 岡山大学 | ペクチン | アルミニウム毒性 | 成長阻害 | 収量低下 | star1 | アルミニウム耐性
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